「ルージュ」ってなんですか、先生。
レッスンの時に、「ルージュ」ってなんですか、ときかれました。この曲の場合は「口紅」ということでいいのではないでしょうか。もともとはフランス語で「赤」の意味のRouge、は英語では「口紅」、日本でも化粧品ということであれば「口紅」、ということになります(英語でもあるのですね)。
※写真は私が折れて曲がるほど使っているユーミンの曲集
今月、クレシェンドギタークラブではこの「ルージュの伝言」を練習しています。歌詞の内容は、浮気っぽい彼(または夫・・・あのひと、ということは夫かな、まあここではどちらでもよいですね)が嫌になり、怒って出て行ってしまってそれきり、ではなくて、出ていくんだけど、彼のママを訪ねて叱ってもらうようにお願いする、というなんとも可愛らしい曲です。家を出ていくときにバスルームに<ルージュの伝言>を残すわけです。
つい先日、この曲を中学一年生の生徒さん(女の子)と弾き語りで練習しました。その時は「先生、先生、これって不倫の曲やんな。内容暗いな~。」と宣うので「いやいや、これは相手のことが好きでたまらない、けどやんちゃな彼をお母さんに叱ってもらおうという大変明るくポップな曲なんですよ」と解説すると、「え~そうなん?」というんです。
曲の理解って人それぞれで面白いですね。念の為にウエブでも調べてみましたが、内容は実は結構<怖い>曲? みたいな見出しがあって、浮気を咎めて書置き(=バスルームの鏡に口紅で)して出ていって・・・という書き方になっていました。さぞかし彼も驚いたでしょう、とも。
記事を読んでいる私が驚きました。曲を通して歌詞を読んでいくと、内容からは彼が大好き。浮気をやめない限りうちには戻らない=やめたらすぐに戻ってくる。じゃないんですか?彼のママを訪ねてやんちゃな彼を叱ってもらう=もうみんなそれを許してる。叱ってもらうわMy Darlin=(愛してるから)早く戻ってきてねダーリン。ラブラブな曲にしか思えないです(私感ですが)。
さて、こんな可愛くてPOPな曲をオールディーズのツイスト風のリズムにのせて作るユーミンはバランスの天才だと思います。少しの描写で最大限の状況を伝えているし、彼女の心境も嫌味でなく伝えている。ママとの距離も女同士、ということで近く、仲もいい、あらゆることが見えてきますよね。
この曲は宮崎駿のアニメ<魔女の宅急便>で使われ、再度世の中に知れ渡りましたが、1975年の発表。まだユーミンが荒井由実だったころです。かの中学生の生徒さんは、「え~そんなに前からある曲なんですか」など驚きしきりでした。ユーミンのビッグファンである私にとっては、「おお、この曲をここで使うのか。天才的采配や」とアニメを見たときには思いました。主人公のキキ(13歳)が魔女の修行に一人で旅立ち、どの街に舞い降りようかと迷いながら、ほうきに乗ったまま空で、持ってきたラジオをつけ偶然のようにこの曲が流れる、というシーンです、鳥肌立ちましたね。お母さん世代のハートにジャストミートしています。
クレシェンドの皆さんも是非この機会にもう一度聞きなおしてくださいね。YouTubeの、ユーミンがピンクのドレスでライブで歌っているのを参考にアレンジしましたので。
そしてオールディーズが日本でも流行った頃のことを思い出してツイストしてくださいね!青春!