カルレバーロとアレクサンダーの考えを自分なりにまとめてみました
アベル・カルレバーロに最初に触れたのは1986年の現代ギター誌でした。何人かのギタリストがそのことについて記事を書いています。そのあとフランスでロベルト・アウセルに教本に沿って学びました。いつも言及していることですが、私はカルレバーロから直接指導を受けていないので、アウセル流カルレバーロ奏法、を伝授されたことになります。
日本人では高田元太郎さんがカルレバーロから直接習い、既刊の「ギター演奏法の原理」は高田元太郎さんの訳で書かれていますから、信頼性があります。
「座り方」はアレクサンダーテクニークでは基本のチェアワークでトレーニングします。座れたら、「構え方」にすすむといいですね。ギターを弾くときに楽譜や左手の場所などに惑わされてしまい、自分の身体やギターとのコンビネーションが良くない人が結構おられます。その状態で「脱力できない」「うまく弾けない」と嘆いてもできようがありませんね。「大は小を兼ねる」という発想や、「力ずくで」となると、本来できそうなこともできなくなってしまいます。
簡単に説明すると、カルレバーロ奏法は、クラシックギターに特化したもの、アレクサンダーテクニークは人という動物すべてに通ずるもの、なのでアレクサンダーテクニークのベースにカルレバーロ奏法が乗っかる形になります。
その考えには共通しているところがありますし、微妙にちがうところもあります。ただ優先順位が違ったりするのは「ギターを弾くために」という思いが熱いのと、「自分の好みにやや傾いている」ところもあるのかなとカルレバーロの本の内容には思うところもあります。悩ましいのは言葉の定義です。どういうつもりで書いているのか「想像」「推測」するしかない、というところがまあまああります。
レッスンでは「こういう原理があるけれどもあなたは自由に使っていい」となると「自由に使っていいといわれても、合っているのかどうかまずわからない」という意見がよく聞かれます。答えをすぐに求めずに自分で試行錯誤するのがもっとも近道だと思っています。